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TPPの効果について2011/11/22 07:40

 TPPの話を聞いた際には、規制撤廃で輸出が拡大し製造業はもうかるという事でした。

 だがしかし、週刊ダイヤモンドの野口悠紀雄の連載を読んだところ、現在ほかの国と結んでいる自由貿易協定の実績から予想される伸びは0.4%ということです。

 為替差損益に比べたらないも同然の効果しかないという事です。

 さらにそのあとの連載では、内閣府の発表する資料でもそれとほぼ同じ数値が予想されているという事でした。野口悠紀雄は偶然の一致だがと書いてはいますが。

 TPPに参加すれば、中国は対抗上EUと結ぶ可能性が高く、そうなるとドイツが圧倒的に有利となり、日本の製造業は壊滅的な打撃をこうむるだろうという事です。

 0.4%になる根拠の一つとして、アメリカとの関税はすでに十分低いためいまさら結んでも意味がないんだそうです。

 日経新聞はTPPをやらなくてどーする、という論調だけれど、こういう話をどう考えているのだろうか。



 それとは別に農業の側面からこんな話も。

 日経新聞のコラムによると、日本のエンゲル係数はこの10年間23%で下がらないけれど、アメリカは7.2%、ドイツ6.9%、イギリス11.4%と軒並み20%以下、というか10%前後。

 この原因として、国内農業を保護するための、食料品に対する関税の高さがあると書いています。

 ダメな農業を保護するための関税により、食料品価格は高止まりしたままだということになるわけです。

 農業従事者を保護するためにその他の多くの国民が苦しめられているという事になります。

 農家はうまい汁を吸っているわけなので、TPPに反対するのは当然という事になります。

 ただ、農作物は自給率の問題もあります。有事の際に食糧がないのはとても厳しい。

 かといって、常に2倍も高い食料品を買わなくてはいけないというのもどうかと思うし。



 名古屋大大学院教授、生源寺真一によれば、TPP参加国で米を作っているのは実質的にアメリカのみで、日本人が食べる品種の生産は20万トンで、国産米の3%にも満たないんだそうです。品質面で差別化することも可能だろうと。

 乳製品、小麦、砂糖はアメリカやニュージーランドに品質面で劣るので、こちらの方が影響が大きいだろうと。

 成人に必要なのは一日2000キロカロリーなので、460万ヘクタールの日本の農地は潜在的にそれをまかなえる。

 というわけで、農地の整備だけをしておけば有事の際にも何とかなるという事のようです。

 そうはいっても、急に作付出来るわけでもないのでしばらくは窮乏を強いられるのかもしれませんが。

 とはいえ、起こるかどうかわからない問題のために日々確実に大きく損していくことを受け入れるのは合理的とは言えないと思います。

 ちなみに北海道の酪農とイギリスの酪農を比較すると、日本は2倍の費用が掛かるんだそうです。そしてその内訳は、7割が畜舎の建設費、肥料、農薬の価格差なんだそうです。

 農業だけの問題ではないようです。
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