賃貸と持ち家どっちが得? ― 2010/05/19 06:01
という記事がしばしば雑誌や新聞、書籍に載っています。
どれを読んでも単純にどっちがとくとはいえない、という結論になっています。
将来の物価や金利の上昇など不確定な部分があるためだったと思います。
ただ、持ち家を持った場合には次のような問題があります。
・資産が偏る
・震災、火災、洪水などによる損壊
・欠陥
・修繕費
・周辺環境の悪化
ローンの場合には、さらに次の問題もあります。
・収入がなくなった場合の返済
多くのサラリーマンにとって、家の価格は高額です。そのため、ひとたび家を買ってしまうと、資産のほとんどを家が占めるようになります。
その結果、土地の価格が下がれば総資産が少なくなるということになります。これは資産形成上うまくない状態です。
もちろん、過去の高度成長やバブルのように、どんどん上昇してくれれば、どんどん資産が増える、ということになります。
果たして少子化が進む今後地価は高騰するのでしょうか?
あとは新築で購入した場合は資産の目減りが激しいという点でしょうか。
マンションの場合、10年くらいで急激に資産価値は目減りするようです。記憶があいまいですが、半分くらいになっていたような気がします。
戸建ての場合でも通常は30年位すればうわものは資産価値ゼロになるはずです。へーベルハウスのように価値が残るものもあります。ただし、そもそも高額です。
震災などによる被害は、いうまでもないことだと思います。阪神淡路の震災では、立てたばかりの家やマンションが焼失、倒壊し、二重ローンを抱える羽目になった人もいたようです。
東京に大地震が起こる可能性は今後30年で80%だった気がします。まず起こると思ったほうが自然です。
アネハの問題は極端ですが、欠陥住宅の問題はあるようです。さくら事務所などにお願いして検査してもらったほうが良いでしょう。数十万円の費用を惜しんで数千万円の損失をこうむるのはばかげていると思います。
外装や水周りなどは、十数年で劣化してくるようです。どうなってもすめればいいという場合には問題ないかもしれません。そうではない場合、修繕費用を見積もる必要があります。屋根の葺き替えや壁の塗りなおしには結構なお金がかかるはずです。水周りの交換も数十万から百万を超える出費があるはずです。
マンションの場合には、共用部については修繕積立金を半ば強制的に徴収されるのでまだましです。しかし、滞納する人がいたり、そもそも計画がずさんで積立金不足に陥っている場合もあるようです。今朝の日経新聞によると都内の80%以上のマンションが積み立て不足に陥っているようです。そうなると、修繕できないか、多額の一時金が必要になる恐れがあります。
修繕という意味では、震災後のマンションもなかなか問題のようです。部屋によっては壁に大きく亀裂が入っていたり、たいしたことなかったりするためです。問題のある部屋は修繕を希望するし、そうでない部屋の人や老い先短い人やお金のない人は希望しない、とそんな感じだったと思います。あれを見るとつくづくマンションは難しいと思います。
マンションの場合、入居者の構成も問題になるようです。広いペントハウスを買う人と、ワンルームを買う人ではおのずと経済力が違ってきます。そもそもワンルームの場合、資産運用目当てで自分は住まないという人もいるかもしれません。そうなると修繕するにしても、ほどほどでいい、もしくはしなくていいという人や、しっかり直したいという人がいてもめることがあるようです。
修繕とは違いますが、固定資産税も侮れないようです。
隣にやくざが引っ越してくる、というのは珍しいケースかもしれません。隣人が豹変して爆音ばばあ(大音響で音楽などをかける)や肥溜めじじい(庭に肥溜めを作る)になるのも珍しいかもしれません(ただしいずれも実在しました)。しかし、隣にマンションが立つというのは珍しいことではないと思います。道路が拡幅されてうるさくなる、近所との人間関係が悪化する、なども珍しいことではないかもしれません。
一度買った家は簡単に買い替えできないため、上記のような問題とお付き合いしていく必要があります。
ローンを払い終わるまでは人のものを借りているだけなので自分のものになっていません。なので、ローンが払えなくなって家を売って返そうとしたけれど、自分のものではないので、売れず、あと数十万だったか数百万円だったか払うだけでよかったのに、何もなくなってしまった、という記事を雑誌で読んだことがあります。恐ろしい話です。
世の中には、定年後までのローンを組んでいる方もいらっしゃるようですがいったいどうやって返すつもりなんでしょう?
私自身は過去にローンに苦しんだことがあるので、ローンはもう結構です。
家を買う場合のメリットは何でしょう? 私は釘や画鋲が打てるくらいしか思い浮かびません。それは冗談としても、客観的に見た場合のメリットというのがあまり思いつきません。比較的グレードの高い調度が手に入れやすいということくらいでしょうか?
賃貸の場合の問題は次のようなものが考えられます。
・安普請が多い
・将来的な家賃の値上がり
くらいでしょうか。
賃貸はやはり、割と安普請なものが多いです。キッチンやトイレ、壁紙、サッシ、床材、いずれも安いものが多いと思います。
分譲マンションが賃貸されているような場合は、結構いいかもしれません。物件を選べば、戸建てと変わらないものなども存在します。アパート前提のものは期待できないと思います。
将来的に家賃が上がることも考えられます。ただし、家賃は法律で規制されていてそう簡単には値上げできないようです。実際、都内で三ヶ所ほど引っ越しましたが、今のところ値上げされたことはありません。
まあ、都内に住み始めたのが、バブルが崩壊してからというのが大きいかもしれませんが。
賃貸のメリットは、各種環境の変化に強いというものです。首になったり給料が減ったりすれば安いところに引っ越せばいいです。周辺環境が悪化しても引っ越せばいいです。天災も自分さえ死ななければなんとかなります。修繕も何も考える必要はありません。設備が古くなってきたら、引っ越せばいいだけです。賃貸はとてもお気楽です。
家を買おうと思わないこともありません。最近、またマンションの冷やかしをしてみたりしています。ただ、計算してみると買いたいと思うものがないのが現状です。
ただ、これは都内で探しているからこうなるのであって、郊外の場合には、2千万くらいでかなりいい物件がありそうなので、郊外に住むのなら、買う、というのも一つの選択肢かもしれません。
まあ、でも買うとしてもマンションの場合は中古ですね。新築プレミアムが剥げ落ちて、管理状況も見極めることができて、納得のお値段で買うというのなら考えられます。
2010/12/09
12/07 の日経新聞に、住宅、買うか借りるか、という記事が載っていました。
金銭的な損得比較は難しいというのが基本で、それでも、双方資金計画がかなり違うので注意しましょう、という内容でした。
私は上記のように賃貸派ですが、一生賃貸かというとそうでもありません。
正直今住んでいるところの家賃は高いので、このまま一生ここに住み続けることはできません。老後は地方、場合によっては海外に移住するつもりです。
ちなみに、家賃が高いといっても、二人で住むことにより、それぞれ一人暮らしをしていた時よりはトータルで二、三万は安くなっています。
そういう意味では、一人当たりでは、一般的に都内で一人暮らしをする程度の家賃という事になります。
移住を考える場合には、移住先でも賃貸という手もあります。地方の家賃は格安です。また、過疎が進んでいる地域であれば、数百万で庭付きの家を取得することも可能でしょう。
ただし、医療や食料の問題はあります。それをどうクリアするかが課題になります。
記事では、ファイナンシャルプランナーが、頭金500万円で、3000万円のマンションを買った場合と、そのローンと同額の家賃の物件に住んだ場合の比較を行っています。
ローンは、毎年134万円。その他に維持費として45万円を見積もっています。維持費には、管理費、修繕費積立金、固定資産税などが含まれているようです。リフォーム費用は含まれていないという事です。
つまり、3000万円の物件を、頭金500万円出して、残り2500万円のローンを組んだ場合、毎年約180万円の支出が続くという事になります。
これは、30歳で購入して60歳で完済というモデルです。金利は固定で3%。
60歳の時点で残る資産はマンションのみ。30年が経過していますから、価値は半分と見るのが妥当でしょう。つまり1500万円。
60歳以降も維持費として毎年45万円が必要です。
それに対して賃貸は、家賃を年間134万円とします。頭金500万円と、維持費分を毎月積み立てて、1%で運用した場合が書かれています。その結果、60歳の時点は、頭金が640万円になり、維持費分が1830万円になる、となっています。つまり60歳での金融資産は2470万円。
ただし、60歳以降も134万円を払い続ける必要があります。もっとも、2500万あれば、安い家を買うことも可能でしょう。
一般的な資産運用のリターンは平均で3%という記憶なので、利回りが低すぎるように感じますが、一般的な人はそれほど積極的に投資しないので、一般的にはこんなものかもしれません。
私はどう考えても賃貸だと思います。30年間何事もないなんて保証はどこにもありません。
家を買う人は資産になるからとおっしゃいます。しかし、新築物件は買った時点で価値が大きく下落するので、資産どころか、当面は負債の方が多いという事を考えたほうがよいと思います。
また、前述のように、天災や社会環境の変化、家族の変化なども考慮する必要があると思います。仕事を辞めたい、仕事がなくなった、逆に、是非海外でやりたい仕事が見つかった、家族が病気になったので療養のため地方に行きたい、離婚した、など色々あると思います。
すでに数千万円の現金があり、無借金で買えるという場合になら、買うのも一つかもしれません。
しかし、未来が不確定にもかかわらず、借金までして買う、というのは、私には危険としか思えません。ばくちです。
子供のためにとおっしゃる方もいるのですが、子供なんてすぐに大きくなって出て行ってしまいます。逆に、自立してくれないようだと困ります。子供が出て行った後に残るのは不必要に大きい家です。
子供に家や部屋を与えてあげるというのは、一つの夢なのかもしれません。しかし、当の子供としては、勉強したい時に学費を出してもらったり、失業した時に援助してもらう方がよほどいいのではないかと思います。
むしろ、子供のころに恵まれすぎていると社会に出てからの挫折感の方が大きいかもしれません。
私の甥は、私が買えないPSPを持っています。( ̄□ ̄;!
子供に負けている大人って… (-_-;)
私の実家は持家でしたが、私の子供のころの部屋は3畳でした。これじゃ納戸です。そのため、家に対しては並々ならぬ執着がありました。
そういった、不足感が、働くための原動力になっている部分もあったと思います。いわゆるハングリー精神でしょうか。
子供には物や金を与えるのではなく、教育や、いざというときの安心感を与えたほうがよいと思います。
家に不満があれば、勉強して働いて自分で買え、といえばよいだけだと思います。
私は、分不相応なものは持たないほうがよいと思っています。人に金を借りなければ買えないものというのは、分不相応なのだと思います。個人の借金は問題の元だと思います。
企業の場合には、競争相手があることなので、ここで一気に設備投資した方がよい、そのためには借金した方がよい、というのもありだと思います。もっとも、これもばくちではありますが。
個人の場合、そこまでする理由があるのでしょうか?
どうしても借金して家を買いたいのなら、せめて買う前に、数冊は本を買って読んだ方がよいでしょう。
ハンコを押す前に、急いで大きな書店に行って、あるだけの住宅関係の本や雑誌を買った方がよいでしょう。たとえ数万円かかったとしても、数千万円の損失よりましです。
マンションや家を買う場合には何が大事かなど、色々書いてあるはずです。チラシに載っている、キッチンや風呂などの設備自慢は長期で考えた場合無意味であることがわかるはずです。
ガイアの夜明けなどを見ていると、マンションを買ってから管理費や修繕積立金に気づいて驚いている人がいますが、こちらのほうが驚きです。
どうして、数千万円の買い物をする前に、よく調べるという事をしないのでしょうか。
数万円の家電製品や、数百万円の車を買う前だって調べるんじゃないでしょうか?
このページを読まれた方は絶対によく調べてから買ってください。
一生後悔しますよ。
私たちも数年前にマンションを買おうかと思って仮予約までしました。そこで、書店に行き、めぼしい本を、金に糸目をつけず、片っ端から買ってきて二人で熟読し、その結果、買わないことに決めました。
その後回ったマンションの販売員に、同業の方ですか? メーカーの方ですか? と聞かれるほどの知識を身に着けていました。
逆に言えば、みんな不勉強。ああいう人たちの話を聞いて買ってはいけません。彼らは販売員であって、基本、売らんかな、の人たちです。あなたのお金を狙っている人たちです。
結局、私たちは、マンションを買わない分、ちょっと贅沢な部屋に引っ越すことにしました。といっても、一人用の部屋から二人用の部屋に引っ越しただけで、それも以前のそれぞれのアパート代を足したものより安くなっていましたが。
今のところ、これで正解だったと思っています。
これはたまたまなのかもしれませんが、私の後輩は、水害で家を流されてしまいました。その後の治水工事のため、彼の家があった場所は今は川の底です。
その後、中越地震がやってきて、バイト時代の友人が家を失いました。土地自体が生活不適となったため、引っ越しとなりました。
さらに、中越沖地震がやってきて、ソフトウェアハウス時代の同僚が家を失いました。
いずれも今でも付き合いのある身近な人たちです。
また、近所の善福寺川があふれたこともあります。あれで、かなりの人がダメージを受けたと思います。
ゴミ捨て場には、ベッドやら家電製品の山でした。カーテンや壁紙などの張り替え、給湯器の交換、車の買い替えも必要だったかもしれません。(私は車もレンタル派です)
ちなみに、私は賃貸は絶対に二階以上です。地元は米どころであり、歴史的には水害の多かったところです。子供のころからそういう教育を受けているので、絶対二階以上です。
ここを決める際にも、善福寺川が近かったのが引っ掛かったのですが、ここはちょっと土地が高く、またさらに二階なので良しとしました。
そして、住み始めてから、二、三年で、あの水害。家から数軒先のところまで水に浸かりました。
個人の特殊な経験を基に考えるのではなく、統計的に物事を考えるべきだとは思います。
とはいえ、私は人生は何が起こるかわからないとも思っています。
大きな揺れがやってくる場合、背伸びをしていたらひとたまりもありません。地に足をつけて、膝に余裕を持っていたほうがよいと思います。
これから懸念されるのは、大震災と日本国債デフォルトでしょうか。
2010/12/09
そういえば、東京カンテイの中古マンション販売価格のグラフも載っていました。
それを見ると、15年まではほぼリニアに下がっていって、15年の時点で、新築販売価格の50%位でした。
10年の時点では、70%位に見えます。とはいえ、販売価格と売却価格はまた違うので、資産としてはやはり50%位の価値しかないかもしれません。
ちなみに、首都圏の方は何が理由かわかりませんが、築20年以後の物件の方が高いものもあります。何の影響でしょう?
近畿圏はほぼだら下がりなので、首都圏固有の現象かもしれません。
築20年でちょっと盛り返しているのは、それくらいになると必ずリフォームして売り出すからでしょうか?
また、もうひとつ。私は賃貸派ですが、老後に備えた資産運用も行っています。60歳の時点で素寒貧だと、家賃に苦しむのは上記のシミュレーションでも明らかです。
家を買ったつもりで資産運用を行いましょう。また、投資資金が捻出できないような高い家賃の物件に住んでいれば引越しを検討しましょう。
もっとも、持ち家派の方も、リフォーム費用が入っていないので、これを考慮しておかないと、風呂釜やシステムキッチン、トイレ、洗面台などが壊れても直せなくなります。フローリングも張り替えたくなるかもしれません。エアコンが組み込みでとてつもなく高い場合もあります。
経験上、10年近く済むと、たばこを吸っていなくても壁紙がかなり汚れてきます。壁紙の交換も10年か、15年くらいで考えたほうがよいでしょう。
マンションではなく戸建だと、屋根や外壁のメンテナンスもお金かかりますから要注意です。
2011/02/17
2/11の日経新聞に、マンションの耐震性についての記事が載っていました。
それによると、建築基準法が定める耐震性はあくまでも最低基準であり、大地震でかろうじて倒壊を免れる程度であり、震災後に住み続けられる保証はなく、建て替えを強いられる場合もあり、にもかかわらず、新築マンションの9割が基準法ギリギリの耐震性しか満たしていない、ということでした。
建築基準法が、最低限の基準であることは、以前調査した際に知っていたため、それ自体は驚きませんでした。しかし、新築マンションの9割がぎりぎりというのは、正直驚きました。
まあでも、世の中、管理費や修繕費がかかることさえ知らずに買うような人がいるくらいなので、耐震等級まで気にして買う人なんて、ほとんどいないのは、想像に難くありません。
耐震どころか、住みはじめてすぐに問題になる、遮音性や断熱性ですら、気にしている人がどれだけいることか。マンションのチラシにそれらに関する情報が滅多にないことから分かります。
耐震等級は1級が、基準法の定める耐震性。2級なら、基準法の1.25倍の耐震性。3級で1.5倍、ということです。さらにその上に、免震構造があるということです。
免震構造は、震災時の火災を除けば安心です。しかし、イニシャル、メンテナンスコストともに高い場合があるので要注意です。
2013/03/27
大前研一が、日本では家を買ってはいけないと書いています。
http://www.news-postseven.com/archives/20110609_22471.html
欧米では家を買った時が一番安く、住宅街の整備が進むとともに資産価値も高まってくる。日本では買った時が一番高く、10年で建物の資産価値はなくなり、街並みも寂れていく。街並みを良くするという考え方がないからだ、と言うことです。
2013/5/9
アメリカで、金融リテラシーの不足による格差が生じているようです。
http://tips.asablo.jp/blog/2013/05/08/6803633
どれを読んでも単純にどっちがとくとはいえない、という結論になっています。
将来の物価や金利の上昇など不確定な部分があるためだったと思います。
ただ、持ち家を持った場合には次のような問題があります。
・資産が偏る
・震災、火災、洪水などによる損壊
・欠陥
・修繕費
・周辺環境の悪化
ローンの場合には、さらに次の問題もあります。
・収入がなくなった場合の返済
多くのサラリーマンにとって、家の価格は高額です。そのため、ひとたび家を買ってしまうと、資産のほとんどを家が占めるようになります。
その結果、土地の価格が下がれば総資産が少なくなるということになります。これは資産形成上うまくない状態です。
もちろん、過去の高度成長やバブルのように、どんどん上昇してくれれば、どんどん資産が増える、ということになります。
果たして少子化が進む今後地価は高騰するのでしょうか?
あとは新築で購入した場合は資産の目減りが激しいという点でしょうか。
マンションの場合、10年くらいで急激に資産価値は目減りするようです。記憶があいまいですが、半分くらいになっていたような気がします。
戸建ての場合でも通常は30年位すればうわものは資産価値ゼロになるはずです。へーベルハウスのように価値が残るものもあります。ただし、そもそも高額です。
震災などによる被害は、いうまでもないことだと思います。阪神淡路の震災では、立てたばかりの家やマンションが焼失、倒壊し、二重ローンを抱える羽目になった人もいたようです。
東京に大地震が起こる可能性は今後30年で80%だった気がします。まず起こると思ったほうが自然です。
アネハの問題は極端ですが、欠陥住宅の問題はあるようです。さくら事務所などにお願いして検査してもらったほうが良いでしょう。数十万円の費用を惜しんで数千万円の損失をこうむるのはばかげていると思います。
外装や水周りなどは、十数年で劣化してくるようです。どうなってもすめればいいという場合には問題ないかもしれません。そうではない場合、修繕費用を見積もる必要があります。屋根の葺き替えや壁の塗りなおしには結構なお金がかかるはずです。水周りの交換も数十万から百万を超える出費があるはずです。
マンションの場合には、共用部については修繕積立金を半ば強制的に徴収されるのでまだましです。しかし、滞納する人がいたり、そもそも計画がずさんで積立金不足に陥っている場合もあるようです。今朝の日経新聞によると都内の80%以上のマンションが積み立て不足に陥っているようです。そうなると、修繕できないか、多額の一時金が必要になる恐れがあります。
修繕という意味では、震災後のマンションもなかなか問題のようです。部屋によっては壁に大きく亀裂が入っていたり、たいしたことなかったりするためです。問題のある部屋は修繕を希望するし、そうでない部屋の人や老い先短い人やお金のない人は希望しない、とそんな感じだったと思います。あれを見るとつくづくマンションは難しいと思います。
マンションの場合、入居者の構成も問題になるようです。広いペントハウスを買う人と、ワンルームを買う人ではおのずと経済力が違ってきます。そもそもワンルームの場合、資産運用目当てで自分は住まないという人もいるかもしれません。そうなると修繕するにしても、ほどほどでいい、もしくはしなくていいという人や、しっかり直したいという人がいてもめることがあるようです。
修繕とは違いますが、固定資産税も侮れないようです。
隣にやくざが引っ越してくる、というのは珍しいケースかもしれません。隣人が豹変して爆音ばばあ(大音響で音楽などをかける)や肥溜めじじい(庭に肥溜めを作る)になるのも珍しいかもしれません(ただしいずれも実在しました)。しかし、隣にマンションが立つというのは珍しいことではないと思います。道路が拡幅されてうるさくなる、近所との人間関係が悪化する、なども珍しいことではないかもしれません。
一度買った家は簡単に買い替えできないため、上記のような問題とお付き合いしていく必要があります。
ローンを払い終わるまでは人のものを借りているだけなので自分のものになっていません。なので、ローンが払えなくなって家を売って返そうとしたけれど、自分のものではないので、売れず、あと数十万だったか数百万円だったか払うだけでよかったのに、何もなくなってしまった、という記事を雑誌で読んだことがあります。恐ろしい話です。
世の中には、定年後までのローンを組んでいる方もいらっしゃるようですがいったいどうやって返すつもりなんでしょう?
私自身は過去にローンに苦しんだことがあるので、ローンはもう結構です。
家を買う場合のメリットは何でしょう? 私は釘や画鋲が打てるくらいしか思い浮かびません。それは冗談としても、客観的に見た場合のメリットというのがあまり思いつきません。比較的グレードの高い調度が手に入れやすいということくらいでしょうか?
賃貸の場合の問題は次のようなものが考えられます。
・安普請が多い
・将来的な家賃の値上がり
くらいでしょうか。
賃貸はやはり、割と安普請なものが多いです。キッチンやトイレ、壁紙、サッシ、床材、いずれも安いものが多いと思います。
分譲マンションが賃貸されているような場合は、結構いいかもしれません。物件を選べば、戸建てと変わらないものなども存在します。アパート前提のものは期待できないと思います。
将来的に家賃が上がることも考えられます。ただし、家賃は法律で規制されていてそう簡単には値上げできないようです。実際、都内で三ヶ所ほど引っ越しましたが、今のところ値上げされたことはありません。
まあ、都内に住み始めたのが、バブルが崩壊してからというのが大きいかもしれませんが。
賃貸のメリットは、各種環境の変化に強いというものです。首になったり給料が減ったりすれば安いところに引っ越せばいいです。周辺環境が悪化しても引っ越せばいいです。天災も自分さえ死ななければなんとかなります。修繕も何も考える必要はありません。設備が古くなってきたら、引っ越せばいいだけです。賃貸はとてもお気楽です。
家を買おうと思わないこともありません。最近、またマンションの冷やかしをしてみたりしています。ただ、計算してみると買いたいと思うものがないのが現状です。
ただ、これは都内で探しているからこうなるのであって、郊外の場合には、2千万くらいでかなりいい物件がありそうなので、郊外に住むのなら、買う、というのも一つの選択肢かもしれません。
まあ、でも買うとしてもマンションの場合は中古ですね。新築プレミアムが剥げ落ちて、管理状況も見極めることができて、納得のお値段で買うというのなら考えられます。
2010/12/09
12/07 の日経新聞に、住宅、買うか借りるか、という記事が載っていました。
金銭的な損得比較は難しいというのが基本で、それでも、双方資金計画がかなり違うので注意しましょう、という内容でした。
私は上記のように賃貸派ですが、一生賃貸かというとそうでもありません。
正直今住んでいるところの家賃は高いので、このまま一生ここに住み続けることはできません。老後は地方、場合によっては海外に移住するつもりです。
ちなみに、家賃が高いといっても、二人で住むことにより、それぞれ一人暮らしをしていた時よりはトータルで二、三万は安くなっています。
そういう意味では、一人当たりでは、一般的に都内で一人暮らしをする程度の家賃という事になります。
移住を考える場合には、移住先でも賃貸という手もあります。地方の家賃は格安です。また、過疎が進んでいる地域であれば、数百万で庭付きの家を取得することも可能でしょう。
ただし、医療や食料の問題はあります。それをどうクリアするかが課題になります。
記事では、ファイナンシャルプランナーが、頭金500万円で、3000万円のマンションを買った場合と、そのローンと同額の家賃の物件に住んだ場合の比較を行っています。
ローンは、毎年134万円。その他に維持費として45万円を見積もっています。維持費には、管理費、修繕費積立金、固定資産税などが含まれているようです。リフォーム費用は含まれていないという事です。
つまり、3000万円の物件を、頭金500万円出して、残り2500万円のローンを組んだ場合、毎年約180万円の支出が続くという事になります。
これは、30歳で購入して60歳で完済というモデルです。金利は固定で3%。
60歳の時点で残る資産はマンションのみ。30年が経過していますから、価値は半分と見るのが妥当でしょう。つまり1500万円。
60歳以降も維持費として毎年45万円が必要です。
それに対して賃貸は、家賃を年間134万円とします。頭金500万円と、維持費分を毎月積み立てて、1%で運用した場合が書かれています。その結果、60歳の時点は、頭金が640万円になり、維持費分が1830万円になる、となっています。つまり60歳での金融資産は2470万円。
ただし、60歳以降も134万円を払い続ける必要があります。もっとも、2500万あれば、安い家を買うことも可能でしょう。
一般的な資産運用のリターンは平均で3%という記憶なので、利回りが低すぎるように感じますが、一般的な人はそれほど積極的に投資しないので、一般的にはこんなものかもしれません。
私はどう考えても賃貸だと思います。30年間何事もないなんて保証はどこにもありません。
家を買う人は資産になるからとおっしゃいます。しかし、新築物件は買った時点で価値が大きく下落するので、資産どころか、当面は負債の方が多いという事を考えたほうがよいと思います。
また、前述のように、天災や社会環境の変化、家族の変化なども考慮する必要があると思います。仕事を辞めたい、仕事がなくなった、逆に、是非海外でやりたい仕事が見つかった、家族が病気になったので療養のため地方に行きたい、離婚した、など色々あると思います。
すでに数千万円の現金があり、無借金で買えるという場合になら、買うのも一つかもしれません。
しかし、未来が不確定にもかかわらず、借金までして買う、というのは、私には危険としか思えません。ばくちです。
子供のためにとおっしゃる方もいるのですが、子供なんてすぐに大きくなって出て行ってしまいます。逆に、自立してくれないようだと困ります。子供が出て行った後に残るのは不必要に大きい家です。
子供に家や部屋を与えてあげるというのは、一つの夢なのかもしれません。しかし、当の子供としては、勉強したい時に学費を出してもらったり、失業した時に援助してもらう方がよほどいいのではないかと思います。
むしろ、子供のころに恵まれすぎていると社会に出てからの挫折感の方が大きいかもしれません。
私の甥は、私が買えないPSPを持っています。( ̄□ ̄;!
子供に負けている大人って… (-_-;)
私の実家は持家でしたが、私の子供のころの部屋は3畳でした。これじゃ納戸です。そのため、家に対しては並々ならぬ執着がありました。
そういった、不足感が、働くための原動力になっている部分もあったと思います。いわゆるハングリー精神でしょうか。
子供には物や金を与えるのではなく、教育や、いざというときの安心感を与えたほうがよいと思います。
家に不満があれば、勉強して働いて自分で買え、といえばよいだけだと思います。
私は、分不相応なものは持たないほうがよいと思っています。人に金を借りなければ買えないものというのは、分不相応なのだと思います。個人の借金は問題の元だと思います。
企業の場合には、競争相手があることなので、ここで一気に設備投資した方がよい、そのためには借金した方がよい、というのもありだと思います。もっとも、これもばくちではありますが。
個人の場合、そこまでする理由があるのでしょうか?
どうしても借金して家を買いたいのなら、せめて買う前に、数冊は本を買って読んだ方がよいでしょう。
ハンコを押す前に、急いで大きな書店に行って、あるだけの住宅関係の本や雑誌を買った方がよいでしょう。たとえ数万円かかったとしても、数千万円の損失よりましです。
マンションや家を買う場合には何が大事かなど、色々書いてあるはずです。チラシに載っている、キッチンや風呂などの設備自慢は長期で考えた場合無意味であることがわかるはずです。
ガイアの夜明けなどを見ていると、マンションを買ってから管理費や修繕積立金に気づいて驚いている人がいますが、こちらのほうが驚きです。
どうして、数千万円の買い物をする前に、よく調べるという事をしないのでしょうか。
数万円の家電製品や、数百万円の車を買う前だって調べるんじゃないでしょうか?
このページを読まれた方は絶対によく調べてから買ってください。
一生後悔しますよ。
私たちも数年前にマンションを買おうかと思って仮予約までしました。そこで、書店に行き、めぼしい本を、金に糸目をつけず、片っ端から買ってきて二人で熟読し、その結果、買わないことに決めました。
その後回ったマンションの販売員に、同業の方ですか? メーカーの方ですか? と聞かれるほどの知識を身に着けていました。
逆に言えば、みんな不勉強。ああいう人たちの話を聞いて買ってはいけません。彼らは販売員であって、基本、売らんかな、の人たちです。あなたのお金を狙っている人たちです。
結局、私たちは、マンションを買わない分、ちょっと贅沢な部屋に引っ越すことにしました。といっても、一人用の部屋から二人用の部屋に引っ越しただけで、それも以前のそれぞれのアパート代を足したものより安くなっていましたが。
今のところ、これで正解だったと思っています。
これはたまたまなのかもしれませんが、私の後輩は、水害で家を流されてしまいました。その後の治水工事のため、彼の家があった場所は今は川の底です。
その後、中越地震がやってきて、バイト時代の友人が家を失いました。土地自体が生活不適となったため、引っ越しとなりました。
さらに、中越沖地震がやってきて、ソフトウェアハウス時代の同僚が家を失いました。
いずれも今でも付き合いのある身近な人たちです。
また、近所の善福寺川があふれたこともあります。あれで、かなりの人がダメージを受けたと思います。
ゴミ捨て場には、ベッドやら家電製品の山でした。カーテンや壁紙などの張り替え、給湯器の交換、車の買い替えも必要だったかもしれません。(私は車もレンタル派です)
ちなみに、私は賃貸は絶対に二階以上です。地元は米どころであり、歴史的には水害の多かったところです。子供のころからそういう教育を受けているので、絶対二階以上です。
ここを決める際にも、善福寺川が近かったのが引っ掛かったのですが、ここはちょっと土地が高く、またさらに二階なので良しとしました。
そして、住み始めてから、二、三年で、あの水害。家から数軒先のところまで水に浸かりました。
個人の特殊な経験を基に考えるのではなく、統計的に物事を考えるべきだとは思います。
とはいえ、私は人生は何が起こるかわからないとも思っています。
大きな揺れがやってくる場合、背伸びをしていたらひとたまりもありません。地に足をつけて、膝に余裕を持っていたほうがよいと思います。
これから懸念されるのは、大震災と日本国債デフォルトでしょうか。
2010/12/09
そういえば、東京カンテイの中古マンション販売価格のグラフも載っていました。
それを見ると、15年まではほぼリニアに下がっていって、15年の時点で、新築販売価格の50%位でした。
10年の時点では、70%位に見えます。とはいえ、販売価格と売却価格はまた違うので、資産としてはやはり50%位の価値しかないかもしれません。
ちなみに、首都圏の方は何が理由かわかりませんが、築20年以後の物件の方が高いものもあります。何の影響でしょう?
近畿圏はほぼだら下がりなので、首都圏固有の現象かもしれません。
築20年でちょっと盛り返しているのは、それくらいになると必ずリフォームして売り出すからでしょうか?
また、もうひとつ。私は賃貸派ですが、老後に備えた資産運用も行っています。60歳の時点で素寒貧だと、家賃に苦しむのは上記のシミュレーションでも明らかです。
家を買ったつもりで資産運用を行いましょう。また、投資資金が捻出できないような高い家賃の物件に住んでいれば引越しを検討しましょう。
もっとも、持ち家派の方も、リフォーム費用が入っていないので、これを考慮しておかないと、風呂釜やシステムキッチン、トイレ、洗面台などが壊れても直せなくなります。フローリングも張り替えたくなるかもしれません。エアコンが組み込みでとてつもなく高い場合もあります。
経験上、10年近く済むと、たばこを吸っていなくても壁紙がかなり汚れてきます。壁紙の交換も10年か、15年くらいで考えたほうがよいでしょう。
マンションではなく戸建だと、屋根や外壁のメンテナンスもお金かかりますから要注意です。
2011/02/17
2/11の日経新聞に、マンションの耐震性についての記事が載っていました。
それによると、建築基準法が定める耐震性はあくまでも最低基準であり、大地震でかろうじて倒壊を免れる程度であり、震災後に住み続けられる保証はなく、建て替えを強いられる場合もあり、にもかかわらず、新築マンションの9割が基準法ギリギリの耐震性しか満たしていない、ということでした。
建築基準法が、最低限の基準であることは、以前調査した際に知っていたため、それ自体は驚きませんでした。しかし、新築マンションの9割がぎりぎりというのは、正直驚きました。
まあでも、世の中、管理費や修繕費がかかることさえ知らずに買うような人がいるくらいなので、耐震等級まで気にして買う人なんて、ほとんどいないのは、想像に難くありません。
耐震どころか、住みはじめてすぐに問題になる、遮音性や断熱性ですら、気にしている人がどれだけいることか。マンションのチラシにそれらに関する情報が滅多にないことから分かります。
耐震等級は1級が、基準法の定める耐震性。2級なら、基準法の1.25倍の耐震性。3級で1.5倍、ということです。さらにその上に、免震構造があるということです。
免震構造は、震災時の火災を除けば安心です。しかし、イニシャル、メンテナンスコストともに高い場合があるので要注意です。
2013/03/27
大前研一が、日本では家を買ってはいけないと書いています。
http://www.news-postseven.com/archives/20110609_22471.html
欧米では家を買った時が一番安く、住宅街の整備が進むとともに資産価値も高まってくる。日本では買った時が一番高く、10年で建物の資産価値はなくなり、街並みも寂れていく。街並みを良くするという考え方がないからだ、と言うことです。
2013/5/9
アメリカで、金融リテラシーの不足による格差が生じているようです。
http://tips.asablo.jp/blog/2013/05/08/6803633
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