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本 トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか2010/10/01 06:39

 トムラウシ遭難には興味を持っていたところ、うちのが図書館から借りてきたので読んでみました。

 遭難の一部始終や、生き残ったガイドの証言、天候や低体温症の説明、ツアー登山についてなどが書かれています。

 一番注目すべきなのは、低体温症についての記述ではないかと思います。

 これまでにも山岳雑誌などで、まず思考力が低下するから、本人が気が付かないうちに行動不能に陥っているなどが書かれていました。

 今回読んでみたところ、低体温症の兆候として通常は震えがくるけれど、震えすら起こらずに低体温症に陥る場合もあることが分かったということでした。

 自分で兆候がつかめない以上、やはり気象条件を勘案し、やばい状況になったら即座にそれなりの対応をする必要があるということではないかと思います。

 問題はやばい状況をどう判断するかということです。

 一般的には、低体温症は冬のものだと思われていると思います。この本では、雨と風の条件さえそろえば、今回のように夏でも発生すると書かれています。

 歩行に支障をきたすような風と雨を受けたら、要注意ということのようです。

 あとはメシ。山行中のカロリー摂取が足りなくても、低体温症を引き起こすということです。脂肪を燃焼するだけではカロリーはまかなえないので、どんどん食べる必要があるようです。

 孤高の人で、加藤文太郎が、食べてさえいれば大丈夫、と言っていたのが思い出されました。ある程度は正しいことなのかもしれません。

 もう一つは当然のことながら、衣服や靴を濡らさないということです。

 以前読んだなにかには、雨で濡らしてはいけないのは当然として、汗で濡らしてもいけないと書かれていました。雨だろうが汗だろうが濡らすという意味では一緒ということでしょうか。

 しばしば、山で汗だくの人を見かけます。私自身以前はそうでした。夏は仕方がないにしても、それ以外は汗をかかないようなペースで歩いたほうがよいのかもしれません。


 トムラウシは北海道にあり、雑誌で写真を見たときには、何もない原野を進むかのようで、特殊な環境かと思っていました。

 しかし、これを読むと、関東近辺の山でも十分起こりうる話なので、要注意だと思いました。特にこれからの季節は。

 山に登る方は必読ではないかと思います。




 なお、ツアー登山の問題についてもいろいろ書かれています。

 面識もなく、経験も様々な人たちが、一緒に行くことや、ガイドのレベルの低さや潜在的な問題などの危険性などが書かれています。

 私自身は、それ以前に、登山道で大勢のツアー客に延々と待たされ、おまけに挨拶ひとつされなかったりという経験があるので、連中を毛嫌いしています。

 せめて5、6人ずつのグループに分かれてくれ、と思います。


 今回のケースでは、自分たちがどういうルートで歩いていくのか把握すらしていない人たちがいて驚きます。はぐれたら遭難の危険性大です。

 しかし、よく考えてみると、うちのもそうかもしれません。山の中で現在位置を把握しているのだろうか。(-_-;)
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